2009年9月11日金曜日

「音楽とテクノロジー」について

 学生は、大学のレポート執筆時の典拠に使わないように!あくまでもこれは「とっかかり」にしか使ってはいけません!

このラベルがつけられた文章について


 「音楽とテクノロジー」というラベルがつけられた記事の文章は、2008年8月に書いたものだ。一年前の夏休みに、私は、結局は陽の目を見なかった共著のために、19世紀以降の音響テクノロジーは音楽を大衆化して個人化した、という趣旨の物語を作り出すことにした。安易な物語かもしれない。しかし私は、今の音楽や音楽を取り巻く今の状況や音響テクノロジーなるものの性質と歴史について考えるためには、まずは乱暴で安易であろうとも大まかな枠組みが必要だ、と考えていた。だとすれば安易でも良いし安易なほうが分かりやすくて良いかもしれない。それに私はその頃、日本語で簡単に参照できるレコード史が、いまだに基本的にはジェラット1981しかない状況に驚いていた。もちろんジェラット以降も幾つかのレコード史や音響テクノロジー史は書かれていたのだが、それらはただの技術史でしかなかったり、あるいは、あまりにも哲学的な歴史記述であるように思われたのだ。私は、自分が音響テクノロジーについて考える時に使いやすい、分かりやすい準拠枠が欲しかった。だから私は自分でそれを作ることにした。
 とはいえ、この文章を書く直接的な理由だった共著の話は頓挫した。私のテクノロジーの話を補完するはずの「音楽の話(20世紀のポピュラー音楽の話)」が書かれなかったのだ。これでは「共著」にならない。しかし書いたものを眠らせておくのはもったいないし、今でも、乱暴で安易かもしれないが、音響テクノロジーについて語るための大まかな枠組みが必要な状況には変わりがないと考えている。昨年書いたものをブログで公開しておこうと思った所以である。公開に当たり、明らかに誤った情報以外の内容は修正しないが、下書きの段階ではきちんと整備していなかった参考文献情報を記しておく。

 誰かの役に立つかどうかはあやしいけれど、こういう考え方もあるのだ、と思ってもらえれば幸いです。あと、参考文献をたどっていくきっかけになってくれれば幸いです。てきとーに楽しんでください。

 学生は、大学のレポート執筆時の典拠に使わないように!あくまでもこれは「とっかかり」にしか使ってはいけません!

参考文献について


 「音楽とテクノロジー」の文章の中で、特に典拠や書誌情報を記さないまま書いている事項は、基本的には全て、以下の文献に依拠しています。まず「レコード史の基本1」の文献をチェックして大まかな流れと記述事項を決定した後、「レコード史の基本2」の文献をチェックし、個別事項に関して個別の専門文献をチェックする、という流れで執筆しました。

レコード史の基本1
Chanan 1995, Eisenberg 1987, 細川1990、ジェラット1981、, キットラー2006、Welch and Burt 1994

レコード史の基本2(1の補足として使用)
Kenny 1998, Millard 2000、岡1981、岡1986、リース1969、山川1992、山川1996

聴覚文化論の基本
Sterne2003, Bull and Back 2003, Drobnick 2004, Erlmnn 2004, Morton 2000, Smith 2004, Thompson 2002, Vanini 2009など

文献の書誌情報はリンク先の文献目録を参照してください。

 学生は、大学のレポート執筆時の典拠に使わないように!あくまでもこれは「とっかかり」にしか使ってはいけません!

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